地震後、エレベーターが止まったまま復旧しない。
住人からは「まだ動かないの?」という視線。
管理会社は板挟み。
そして復旧に向かう現場は階段ダッシュ……。
正直に言うと、しんどいです(笑)。
ですが、エレベーターの地震停止は安全機能が正常に働いている証拠でもあります。
この記事では、管理者向けに地震復旧の現実的な目安時間を現場目線で整理します。
1台あたりの地震復旧時間
目安:10分〜60分(1台あたり)
作業の流れは以下の通りです。
- ピット確認
- 昇降路一巡点検
- 異常がなければ地震管制解除
- 試運転確認
5階建程度なら10〜15分で完了することもあります。
しかし30〜40階クラスの高層ビルでは話が変わります。
昇降路を一巡するだけで20〜30分かかることもあります。
さらに複数台ある場合は順番に確認します。
構造によっては3台同時確認できることもありますが、それでも40分〜60分は見ておいた方が無難です。
停止位置が上階だった場合は、そこまで階段で上がります。
点検後、機械室(多くは屋上)へ戻る必要もあります。
30階建クラスだと合計60分前後になることも珍しくありません。
到着までの目安時間
復旧時間とは別に「到着時間」があります。
地震時は優先順位があり、一般マンションは後順位になることが多いです。
震度2
ほぼ停止しません。
P波のみ検知した場合は一時停止後、約1分で自動復旧します。
監視契約がない建物では、停止に気づけない場合があります。
停止している場合は連絡をお願いします。
震度3
平日:30分〜2時間程度で到着
休日・夜間:1〜5時間程度
夜間は待機者1名体制のこともあります。
エリア全体で同時停止が起きるため、順番対応になります。
ただし、機器被害はほぼありません。
震度4
1〜5時間以上
ここからは本格対応です。
複数物件を巡回しながら復旧します。
休日・深夜の場合、応援が始発到着になることもあり、
最大10時間程度かかるケースもあります。
震度5以上
これは別次元です。
私が経験した大規模地震では、
完全復旧まで数日かかりました。
余震でリセット、通信障害、交通停止。
現場も事務所もパニックです。
復旧は「安全確認を積み上げる作業」なので、
急ぎたくても急げません。
補足:大震災クラスの被害
過去の震災では、
- 機械室床破損
- カウンターウェイト飛散
といった重大被害も報告されています。
現在は法改正により構造強化が進んでいますが、
震度5強以上では設備損傷の可能性もあります。
まとめ(管理者向け目安)
- 震度2:ほぼ自動復旧
- 震度3:数時間以内
- 震度4:半日かかる場合あり
- 震度5:数日規模
※建物構造・時間帯・同時多発件数によって変動します。
地震復旧は「早さ」よりも「安全確認」が最優先です。
住人説明の参考として、目安にしていただければ幸いです。



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